『オレンジのあじがする』

It tastes like an orange!ワードプレス化に向けて奮闘中。イラストは練習中でござる



免許更新のビデオで思うこと

免許更新時に流れる交通安全啓蒙ビデオを見ていると、こんなに悲惨な事故があって、被害者もその残された家族、そして加害者も、その瞬間に人生が狂ってしまう。明日は我が身。事故を起こさないように運転が慎重になる同時に、この世から、交通事故がゼロになることを願う。

 

なぜ急に、啓蒙ビデオのことを思い出したかというと、今日は会社の研修でした。そこで同じような、(いや、同じじゃないかも)啓蒙ビデオを見ました。というか見させられた。7時間も。。ざけんな。と思う。

 

内容は、まさに自己啓発セミナーで見せられそうなもので、講師一人がビデオに登場するお決まりのパターン。こういうビデオのストーリー構成は、まず前提を作る。例えば、不幸だとか、経営が行き詰まっているということを、あたかも自分たちが直面している問題として、視聴者の脳裏に焼き付ける。みんなで集まっていると、集中力が欠落することが多いし、周りの人が頷くと、集団心理が働き、普段なら疑うことも、あっさり信じこんでしまう。その前提を植え込まれると、あとは講師のペースである。その前提に対して、講師が、わかりやすい言葉と、印象的で強烈なキーワードを並べて、ソリューションを提案してくるものだから、視聴者は完全に思考停止に陥る。そして、訓練された口調と、まくし立てる大声で、信憑性があるように錯覚してしまう。非常に危険である。本当は、もっと他に解決策なり、結論があるし、そもそもその前提自体がアヤシイ。鑑賞後にクイズとかのオプションをやれば、さらに完璧に洗脳することができる。

こういう手法は、アドルフ・ヒトラーが人民を誘導する時に、取り入れたことで有名で、心理学的にも証明されているそうだ。

現に、今日の研修(?)でも、後半になると涙するヤツとか居た。特に、課題をいろいろと抱えている状況のヤツほど、影響を受けやすい。特に課題を抱えていなくとも、7時間も見せられれば、少なからず、影響を受けてしまうこともある。恥ずかしいことに、こういうのに対して慎重な僕でさえ、途中で騙されかけた。

 

こういう状況に出くわしたときは、画面を直接見ない、他のことを考えるようにして、画面の中の講師と距離感を保たなければならない。僕は、適宜パソコンをいじるなり、メモ書きをするふりをして、全然別のことを考えて乗り切った。

 

で、非常にデンジャラスなのは、このビデオを社長以下社員の大半が信じ込んでいる場合である。冷静に眺めると、講師の言うことは、実に不合理で、それに汎用性、信憑性がなく、業務レベルに落としこむには、莫大な労力がかかる。その莫大な労力と、コストをかけて実践してみるが、当然、自社で実現できない内容となっており、しかも、この時点で講師を崇拝しているから、何度も何度もセミナーや本に投資をする。完全に相手の思う壺である。

 

確かに、会社で勤める上で、会社の理念はどうであるかはほどほどに重要ではあるが、それは、形骸化しているくらいで丁度いいし、組織は重要だと思うが、それは形式的な面で手続き的にあれば、いいのである。理念や理想を語るのは、構わないが、それが実務レベルに落ちてくると、本来の企業の目的である、営利追求という点を捨ててでも、それを実現しようとして、本末転倒状態に陥る。

 

こうなるともう社員ではなく、信者に近い。まるで宗教団体に入信したかのような、雰囲気に包まれて仕事をするなんて、そうそうできない経験だから、転職活動をしながら、笑って眺めていることにしよう。たしかに、入社したあたりから、おかしな雰囲気を感じていた。社長が崇拝されているし、それに対して、誰も違和感を、抱いていない。自社ビデオも山のように制作している。 最初は、日本の古い会社にありがちなんだなとしか思っていなかったが、どうやら、これは、マインドコントロールされているようだ。でも、そういう思考停止になった人間は扱いやすいということもある。たいてい皆同じ、どこか焦点が合わない、目つきをしている。だから、見分けもつきやすい。自分も信じ込んだフリをして、相手の心のバリアを解くことで、意見が通りやすくなる上、その理念を武器にすれば企画も立てやすい。彼らにとって、仕事をする基準は、信念対して、仲間か仲間じゃないか、だからだ。

まぁ、適度な距離感を保ちつつやってみるけど、ブログで皆さんに監視していてもらいたい。もし、僕が「お告げ」とか言い出したら、危険信号なので、その時は、止めてくださいねw

 

 

という風に、今日のビデオで、偉大なる尊師からこのようなお導きがあったので、書いてみました。(←お!!?)