『オレンジのあじがする』

It tastes like an orange!ワードプレス化に向けて奮闘中。イラストは練習中でござる



パリひとり珍道中〜ヴェジタリアンマンとTの悲劇

第2回は、機内での出来事。

先程の入国審査を終え、ビールを引っ掛けながら過ごす。

やっとボーディングタイムとなり、定刻通り飛行機は成田を飛び立った。

 

◆エティハド航空

今回、格安航空券を漁って、やっと見つけたパリ行きの切符。

ANAや日航などの日系航空会社は、もちろん高い。

エールフランスなんて、15万ぐらいする。うむむ、高い・・。

いろいろと検討した結果:エティハド航空が一番いいことが判明。

これは、UAEのナショナルフラッグで、オイルマネーを背景に豪華な機内サービスと、至上のくつろぎを・・・

 

なんて、言ってるから、これに決めた。

アラブの航空会社なんて大丈夫か!!?といろいろと不安に思ったけど、

結果的には、よかった。

 

しかも、ANAの共同運行で、ANAの添乗員さんが乗ってるらしい。

その上、ANAマイレージプログラムが適用になるので、マイルもOK。

 

f:id:orange7700:20121004210425j:plain 

f:id:orange7700:20121004210604j:plain

 

 ▲エコノミークラスの分際で、各人にディスプレイと、iPhone用の充電器とか、

付いている。やったぜ。

 

 

 

◆ヴェジタリアンマン

成田でチェックインをする際に、ANAのオネエちゃんが、

「空いていたので、窓の席を確保しました!」(^^♪

なーんて、「サービスしといたよ、オニイサン」風を装って、

ちゃっかり、空席を調整していたと思われる。

 

ボーディングの時点で、おや?と思う。

膀胱が元気に動いている。しかし、まぁ12時間くらいどうにかなるよな。

って思いながら搭乗をする。

 

荷物を網棚?に載せる客をかき分け、僕は窓なんだよな。って思いながら、

席を見つけると、通路側には、外国人のあんちゃんが座っていた。

 

歳の頃は、僕と同じくらいだろうか。

ヒョロッっとした長身に、短髪で金髪のあんちゃんだった。

 

奥に入りたい僕は、

「Excuse Me」とお断りをして、席を立ってもらう。

こういうのは、最初の印象が肝心だよな、なんせ12時間も苦楽を共にするパートナーなんだから!と心の中で思いながら、席に着く。

 

安全のしおりなんかを、フラフラと眺める振りをして、周囲を観察。

とりあえず、危なそうな人間は、いないことを確かめ、

持ってきた小説「悪の教典(上)」を読み始める。

 

無事、離陸をしたあと、お待ちかねのドリンクタイム!

なんてったって、オイルマネーを背景に豪華な機内サービスと、至上のくつろぎを提供してくれる、「エティハド航空」w なのでドリンクは飲み放題。

 

テンションが上がる。

ビールはさっきのんだから、食前酒で「赤ワイン」×2杯いただく。

うむ、濃厚な味わい。

 

横のあんちゃんは、水ばっかりガブガブ飲んでる。

そんなに、寝る前にトイレ行きたくなるぞ!と心の中で教えてあげた。

 

そろそろ、機内食かな、と思っていると、

フライングで、横のあんちゃんに機内食が運ばれてきた!

僕にはない・・・。

あれ、格安航空券の俺は、プライオリティが低いんだ、

いや、もしかして、ずっと空腹でいろと言うのか!?

やっぱり、窓際だからな・・。って思っていると、

どうやら、あんちゃんの食べているのは、「野菜と果物ばかり」

ここでガッテン!

どうやら、菜食主義者のようだ。同時にあだ名が「ヴェジタリアンマン」となる。

特別食だから、先に運ばれてきたのね。

※ヴェジタリアンには、人って意味が含まれているけど、語感的にマンをつけるw

 

へぇと思いながら、いよいよ僕の機内食が配膳され、

またワインをおかわり。やっぱり肉には赤ワインでしょ。

f:id:orange7700:20121004223932j:plain

 

◆Tの悲劇

 機内食も終わって、のんびりしていると、おや?

膀胱が警告を発し始めている。おやや?

そろそろ、まずいかな。トイレの時間かな。って思い、

横でシンプソンズを見ながら、ニタニタしているあんちゃん。

ホーマーシンプソンがズッコケたあたりを見計らって、

「Excuse Me」と言って、トイレに行きたい意思表示をする。

あんちゃんは、笑顔でOKサインをだして、席をどいてくれた。

 

安心したのもつかの間。

機内食後のトイレ渋滞! oh...ジーザス。と思いながら、

列に並ぶ。すると機体が大きく揺れた!

座席ベルト着用サインが点灯して、添乗員さんたちが、

トイレを我慢している羊たちを、座席に戻す・・・。

ピンチだ!

 

大人しく席に戻るフリをして、別のトイレに行こうとするも、

別の添乗員に止められ失敗。

 

やむなく着席すると、「トイレは気持ちよかったかい!?」と言わんばかりの

笑顔で、あんちゃんが迎えてくれる。どうやら、事の顛末は知らないようだ。

「Thank You.」とだけ言って、席に戻るが、結構ヤバい状態に。

とうに危険水位は超えているようだった。

 

しばらく考えた。

機体の揺れが収まったら、トイレに行こう!

でも、あんちゃんに申し訳ない。

けど、トイレは生理現象だから。

でも、英語で「さっきトイレ行けなかったんだ。もう一回行ってくる」を

どう説明するんだ・・?うーむ。

いやいや江戸っこたるもの、暑い盛りに涼しい顔をして、

茶を飲むくらいの覚悟じゃないと。

おー、冗談言ってる場合じゃないぜ、まじでヤバい。

これは緊急事態だ!

 

そうだ!さっき見た安全のしおりによると、緊急事態の時は、

前屈姿勢になり、頭を守って・・・

 

こんなことしている場合じゃねーw

 

おろおろと時間ばかりが過ぎていく中で、

膀胱との戦いをしている。もう、これ以上は我慢出来ないってことで、

添乗員のスキを見て、いざ出陣。

 

緊急時には、理屈抜きだ。

あんちゃんにもう一度、「Excuse Me」「I need toilet now!」と言って、

懇願する。

するとあんちゃんは、

笑顔で「Don't Worry!  When I went to Tokyo, Toilet”#$%&’(〜」

何言ってるかわからなかったけど、とにかく退いてくれた。

 

すぐさまトイレに駆け込む。

僕の"しし"が、便器という忘却の彼方へ消えて行くのを確かめ

安堵した。

 

次からは絶対に、通路側の席を確保するんだ!

そう思う僕を乗せて、飛行機は目的地へと向かっていった。

f:id:orange7700:20121005153335j:plain